日商簿記2級の合格を目指す人のほとんどが、日商簿記3級に合格した人ではないでしょうか。

 

日商簿記2級は、日商簿記3級と比較して、出題範囲が広く、そして、各論点の難易度が上がるため、苦戦している人も多いと思います。

 

しかしながら、従来と同じように勉強すれば、必ず日商簿記2級に合格できるので、不安に思わないで下さいね。

 

そこで、今回は、平成28年の出題範囲の改訂により、追加された「所有権移転外のファイナンス・リース取引の借手側の処理について、意味や流れや解き方」をお伝えしていきたいと思います。

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リース取引とは?

 

所有権移転外のファイナンス・リース取引は、平成28年に出題範囲が改訂されて日商簿記2級の追加論点となり、借り手側の処理のみが出題範囲となりました。

 

ですので、比較的学習しやすいと思います。

 

なぜなら、貸し手側の処理は、少し複雑になっているからです。

 

余談にはなりますが、また、苦手の人が多い、セールアンドリースバック取引も日商簿記1級の出題範囲として残っていますので、日商簿記2級の出題範囲とならなくてよかったと思います。

 

本題に戻しますが、ファイナンス・リース取引とは、簡単に言えば、

 

リースを支払うことで、コピー機などの他社所有の固定資産を使用する権利が与えられて、その使用によって生じる収益を得ることができる取引を言います。

 

そして、そのリース取引の借手側の処理を日商簿記2級では学んでいきます。

 

このファイナンス・リース取引は、売買取引に準ずる方法で会計処理を行います。

 

それでは、続いて、リース取引の処理について、見ていきたいと思います。

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リース取引の会計処理とは?

リース取引の借手側の会計処理は、

 

➀リース取引開始時

②リース料の支払い時

③決算時

 

これら3つがリース取引に必要となってくる会計処理です。

 

それでは、個別に一つずつ説明していきたいと思います。

 

➀リース取引開始時

 

例えば、平成×1年4月1日にリース(所有権移転外のファイナンス・リース)により次の機械を取得しました。

(会計期間4月1日~3月31日)

リース期間 5年

耐用年数 6年(償却率0.500の定率法)

リース料 10,000円/年(見積現金購入価額 46,000円

支払利息 1,000円/年

 

リース資産 50,000円 / リース債務 50,000円

 

⇒取得時には、リース資産の取得価額は、リース料総額50,000円(10,000円×5年)を「リース資産」として資産計上します。

 

そして、リース資産計上額と同額を「リース債務」として、負債に計上します。

 

②リース料の支払い時

 

リース債務 10,000円 / 現金預金 11,000円

支払利息 1,000円

 

③決算時

 

減価償却費 10,000円 / リース資産 10,000円

 

⇒所有権移転外のファイナンス・リース取引の場合は、残存価額がゼロでリース期間定額法で減価償却をします。

 

したがいまして、リース資産の取得価額50,000円を5年のリース期間定額法で減価償却を行うと、減価償却費10,000円(リース資産の取得価額50,000円÷5年=10,000円)となります。

 

このように、今回は、平成28年の出題範囲の改訂により、追加された「リース取引の借手側の処理について、意味や流れや解き方」をお伝えしました。

 

日商簿記2級の出題範囲に追加されたリース取引は、

 

所有権移転外のファイナンス・リース取引の借手側の処理のみなので、先ほどもお伝えしたように、①から③までの流れを理解しましょう。

 

所有権移転外のファイナンス・リース取引の借手側の処理で気をつけるポイントは、

 

決算時の減価償却のリース期間定額法の処理です。

 

そして、残存価額はゼロで、リース期間にわたって、定額法で償却します。

 

おそらく問題上は、あえて定率法などの償却りつの資料などもあるとは思いますが、絶対に引っかからないようにして下さい。

 

少しでも参考になれば、幸いに思います。

 

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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