日商簿記2級の合格を目指す人のほとんどが、日商簿記3級に合格した人ではないでしょうか。
日商簿記3級に一発で合格された人も、日商簿記2級の壁にぶつかっている人も多いです。
ご存知の人も多いと思いますが、日商簿記2級は、平成28年に出題範囲が大幅に改訂されたこともあり、出題範囲が大幅に増えて、各論点の難易度も上がりました。
しかし、従来と同じように勉強すれば合格できますので、心配されすぎないようにしてくださいね。
そこで、今回は、「日商簿記2級の圧縮記帳の問題について、意味や問題の流れや解き方」をお伝えしていきたいと思います。
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圧縮記帳とは?
今まで、圧縮記帳を勉強してきた経験で言いますと、圧縮記帳の問題は解ける人も多いのですが、圧縮記帳の意味やなぜ行うのかを知らない人も多いので、まずは、圧縮記帳の意味について、お伝えしていきたいと思います。
圧縮記帳とは、
税務上の課税の繰り延べを行うための会計処理でありまして、その事業年度の税負担を軽減させるものです。
したがいまして、勘違いしてはいけないのが、税負担を控除させるものではないということです。
ですから、効果的としては、一時的に税負担を軽くして、資金繰りがしやすくなります。
ということは、長い目での減価償却の費用の面で見ると、総額の費用は同じということになります。
ですので、単なる費用の繰り延べにすぎないということですね。
このように、圧縮記帳は、単なる課税の繰り延べにすぎず、長い目でみれば、決して税額が減る訳ではないと覚えておきましょう。
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圧縮記帳の問題とは?
圧縮記帳の問題としては、積立金方式と直接減額法があるのですが、日商簿記2級においては、直接減額法のみが出題されます。
直接減額法は、
例えば、建物を取得する際に、国からの補助金を受けた場合に、その補助金を受贈益としますが、その受贈益を相殺するとともに、固定資産を減額することによって、課税が生じないようにすることです。
それでは、圧縮記帳の問題の流れを説明します。
➀補助金の交付
②固定資産の取得
③圧縮記帳
④減価償却費の計上
これらのように、圧縮記帳の問題としては、流れます。
それでは、個別に一つずつ説明していきたいと思います。
➀補助金の交付
例えば、平成1年4月1日に10,000円の建物を取得し、国から2,000円の補助金を現金で受けた場合 (決算日3月31日 耐用年数10年、残存価額0、定額法 償却率0.100)
(借方)現金預金 2,000円 (貸方)受贈益 2,000円
⇒国から受けた補助金2,000円をそのまま受贈益として処理する。
②固定資産の取得
(借方)建物 10,000円 (貸方)現金預金 10,000円
⇒建物の取得価額の10,000円を資産として処理する。
③圧縮記帳
(借方)固定資産圧縮損 2,000円 (貸方) 建物 2,000円
⇒国から受けた補助金を圧縮損として、取得した建物の取得価額と減額する。
この処理は、➀で、受贈益として処理した利益を圧縮損として損失として計上することで、相殺す、同時に、建物の取得価額を減額します。
この③の建物の取得価額を直接減額する処理を圧縮記帳の直接減額法と言います。
④減価償却費の計上
(借方)減価償却費 800円 (貸方)建物 800円
⇒③で建物で減額した取得価額を基礎として、減価償却を行います。
このように、①から④までが圧縮記帳の直接減額法の流れとなります。
今回は、「日商簿記2級の圧縮記帳の問題について、意味や問題の流れや解き方」をお伝えしました。
圧縮記帳は、慣れるまではなかなか難しいかもしれませんが、慣れると確実に解けるようになるでしょう。
また、圧縮記帳を苦手とされている人は、まずは、圧縮記帳の意味や流れを理解した上で、問題を解くとスムーズに解くことができると思います。
ただし、もし、本試験の直前まで苦手の人は、先ほどもお伝えした、①から④まで流れを暗記して、機械的に解けるようにすれば、なんとか本試験の問題に対応できるでしょう。
少しでも参考になれば、幸いに思います。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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