日商簿記2級の合格を目指す人のほとんどが、日商簿記3級に合格された人ではないでしょうか。
日商簿記3級に一発で合格された人も、日商簿記2級では、苦労されることが多いです。
それは、日商簿記2級では、日商簿記3級とは異なり、出題範囲が大幅に増えて、各論点の難易度も上がっているからです。
ですから、日商簿記2級で苦労されている人が多いのです。
そこで、今回は、日商簿記2級の商業簿記の中でも苦手とされていることが多い「受託販売の問題について、おすすめの効果的な解き方」をお伝えしていきたいと思います。
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受託販売とは?
まずは、受託販売の問題にいきなり入る前に、受託販売の取引について、簡単に説明していきたいと思います。
受託販売とは、
他人の代わりに他人の商品を受託して販売する形態を言います。
そして、その他人の商品を受託商品と言います。
受託販売の処理としては、
①受託商品を受取時
②受託商品の販売時
③仕切精算書送付時
④手取り金の支払い時
これらの4つの処理が必要となってきます。
受託販売を苦手とされているほとんどの人の要因が、取引の流れをあまり理解していないことです。
ですので、まずは、受託販売においては、どのような取引の流れになってくるのか。
そして、その取り引きは、どのように処理すればよいのか。
という、2段構えで考えると良いでしょう。
また、受託販売は、委託販売の反対側の立場なので、委託販売を理解できている人は、受託販売は、その委託販売の逆の取引と考えると、理解しやすいのではないでしょうか。
簿記は、ご存知の人が多いとは思いますが、取引をする両者は、正反対の取引するので、取引の仕訳がわからないときは、相手側の処理を考えれば、答えが出てくることも多いです。
ですから、迷ったときは、相手側の処理を考えて、当社はどのように処理をしたら良いのかを考えると良いでしょう。
それでは、取引を順番に説明していきたいと思います。
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①受託商品を受取時
受託販売において、委託者から受託商品の受け取りがあった場合は、処理は行いません。
なぜなら、受託商品は、委託者の商品をただ預かっている状態なので、自分の商品になったわけではないからです。
ただし、その受託商品を引き取った際に、引取り費用や保管費用が発生した場合は、受託販売という勘定科目で処理します。
例えば、引取り費用が1000円で現金で支払った場合、
受託販売 1,000円 / 現金預金 1,000円
このように処理します。
意味としては、その引取り費用は、委託者に請求することができるために、受託販売勘定を用いて処理します。
ですので、①の商品受取時には、
原則 処理なし
例外 引取り費用や保管費用などが発生した場合に受託販売勘定を用いて処理
このように処理します。
②受託商品の販売時
受託商品を販売した際の処理は、
例えば、受託商品を10,000円で販売し、商品代金を現金で受け取った場合、
現金預金 10,000円 / 受託販売 10,000円
この②の処理は、ものすごく理解しやすいかと思います。
受託商品を販売したら、受託販売勘定で処理すれば良いということです。
③仕切精算書送付時
③は、仕切精算書を委託者に送付した場合の処理です。
例えば、委託者に受取手数料3,000円を記載した仕切精算書を送付した場合、
受託販売 3,000円 / 受取手数料 3,000
という処理を行います。
この受取手数料は、受託販売手数料としても構いません。
④手取り金の支払い時
④の状況をもう少しわかりやすくお伝えすると、委託者に受託販売の販売代金を支払った時の処理です。
例えば、委託者に手取り金6,000円を現金で支払った場合、
受託販売 6,000円 / 現金預金 6,000円
という処理となります。
このように、これらの①~④で、受託販売の取引が完結します。
先ほどもお伝えしたように、受託販売は、
まずは、取引の流れを理解すること。
そして、その取引の際の仕訳が切れることが最終目標となります。
また、受託販売は、委託販売の反対側の取引なので、もし、受託販売がわからないときは、委託販売の処理を考えていただければ、答えが出てくるかもしれません。
受託販売は、何度も何度も繰り返し解いて、処理が定着できれば、得意論点となると思いますので、繰り返し演習をしましょう。
今回は、「日商簿記2級の受託販売の問題」について、お伝えしました。
少しでも受託販売の理解の手助けとなれれば、幸いに思います。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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