日商簿記2級の合格を目指す人のほとんどが、日商簿記3級に合格された人ではないでしょうか。

 

そして、その中には、日商簿記3級に一発で合格された人も多いはずです。

 

しかしながら、日商簿記2級は、日商簿記3級と比較して難易度が、かなり上がることがことから、いくら日商簿記3級に一発で合格した人でも苦しむことも多いです。

 

なぜなら、平成28年6月に出題範囲が大幅に変更に改訂されたので、おのずと難易度が上がったように思います。

 

ただし、従来通り、得点すべきところでしっかりと得点すれば合格できる試験ということには変わりないので、心配は必要ないと思います。

 

そこで、今回は日商簿記2級の商業簿記のうち、「満期保有目的債券の問題について、おすすめの解き方」をお伝えしていきたいと思います。

スポンサーリンク

満期保有目的債券とは?

 

日商簿記3級に受験せずに、日商簿記2級の本試験が初めての人もいるかもしれないので、

 

まずは、満期保有目的債券とはどういうものなのかについて、説明していきたいと思います。

 

満期保有目的債券とは、

 

有価証券のうち、利息の受け取りを目的として、その有価証券の満期日まで保有する社債(債券)などを満期保有目的債券と言います。

 

有価証券のうち、売買目的有価証券は得意とされる人が多いのですが、この満期保有目的債券を苦手とされる人が多いです。

 

ちなみに、売買目的有価証券を簡単に説明すると、

 

売買目的有価証券とは、「「価格変動を利用して、利益を得る目的で取得した有価証券」を言います。

 

満期保有目的債券の問題については、3つの取扱いがあります。

 

①購入時

②利息受取時

③決算時

 

これら3つの取扱いの処理ができれば、満期保有目的債券の問題については、大丈夫です。

 

ちなみに、売買目的有価証券のような売却時の処理は満期保有目的債券では出てきません。

 

それは、そもそも満期保有目的債券については、満期まで保有することを目的としているので、満期までの間に売却することを想定していないからです。

 

ですから、満期保有目的債券については、売却時の処理は出てこないのです。

 

それでは、続いて、具体的な処理方法について、お伝えしていきたいと思います。

スポンサーリンク

①購入時の処理

満期保有目的債券購入時の処理は、

 

付随費用を含めて取得原価とします。

 

購入代価+付随費用=満期保有目的債券の取得原価

 

例えば、満期保有目的債券の購入代価が150,000円で、購入手数料が1,000円だとします。

 

150,000円+1,000円=151,000円

 

このように、満期保有目的債券の取得原価を算定していきます。

 

ですので、満期保有目的券債の購入時の処理としては、付随費用があるのか、ないのか?を確認し、もし付随費用があるのであれば、満期保有目的債券の購入代価に加算して、満期保有目的債券の取得原価を算定して下さい。

 

②利息受取時の処理

 

満期保有目的債券の利息受取時の処理は、

 

利息受取時に、額面金額に利率を乗じて計算します。

 

満期保有目的債券の額面金額×利率=有価証券利息(営業外収益)

 

例えば、4月に満期保有目的債券(額面金額100,000円)を取得し、翌年の3月に利息を現金で、受け取るとします。(利率5%)

 

100,000円×0.05=5,000円

 

仕訳 現金預金 5,000円 / 有価証券利息(営業外収益) 5,000円

 

このように、利息の受け取りは、利息受取時に、有価証券利息として、処理します。

 

ただし、利息の受け取りが翌期にまたがる場合には、会計上は適正な期間損益計算の観点から、当期に対応する分を未収収益として計上しなければなりません。

 

しかし、応用論点については、再度改めて説明させていただきたいと思います。

 

③決算時の処理

 

決算時の処理としては、

 

原則としては、満期保有目的債券は、評価替えを行いません。

 

そして、例外的に、額面金額と取得原価とが金利の調整と認められる場合につき、償却原価法により評価替えを行います。

 

償却原価法を簡単に説明すると、

 

償却原価法とは、額面金額100,000円と取得原価98,000円である場合で、額面金額と取得原価が異なる時に、その差額(2,000円)を購入時から満期時まで取得原価に加減算して、取得原価を額面金額に近づけていく方法を言います。

 

上記の例で言えば、初年の処理としては、(×1年4月に購入、決算月3月、満期月×5年3月)

 

(100,000円-98,000円)×12ヵ月/48ヵ月 = 500円

 

仕訳 満期保有目的債券 500円 / 有価証券利息 500円

 

このように、決算時に処理します。

 

上記の例では、12ヵ月分の処理でしたが、例えば、期中の×1年6月に満期保有目的債券を取得したのなら、額面金額と取得原価の差額に、10ヶ月/48ヵ月を乗じることとなるので、問題文の読み飛ばしには注意が必要です。

 

このように、満期保有目的債券については、苦手な人が多いのですが、購入時、利息受取時、決算時の3つの処理があることをまずは理解した上で、

 

今どのような処理が必要なのかを考えながら解いていくと、正確な解答が導けると思います。

 

あとは、いかに問題演習を繰り返し解いて、慣れるかが重要でしょう。

 

このように、今回は「日商簿記2級の満期保有目的債券の問題の解き方」について、お伝えしました。

 

少しでも参考になれば、幸いです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

スポンサーリンク