日商簿記2級の合格を目指している人のほとんどが、日商簿記3級に合格された人ではないでしょうか。
ですので、簿記の基本的な骨格部分についての理解できているのではないかと思います。
そして、日商簿記2級の勉強している時に、人によっては、得意論点や苦手論点が異なるとは思いますが、その苦手論点の克服こそが、合格への近道ではないでしょうか。
そこで、今回は「日商簿記2級の減価償却費の問題について、おすすめの得点アップのための効果的な解き方」をお伝えしていきたいと思います。
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減価償却とは?
まず始めに、減価償却とはどのようなものをいうのかについて、簡単に説明していきたいと思います。
減価償却とは、
有形固定資産の価値減少に伴う部分を毎年費用化する手続きを言います。
意義は、少し理解しにくいので、もう少しわかりやすくお伝えしていきたいと思います。
減価償却は、
建物や機械装置などの有形固定資産は、長期に使用されますが、年々使用とともに、老朽化が進みます。
そして、その老朽化するということは、その老朽化した分だけ、その有形固定資産の価値が少しずつ減っていきます。
例えば、新築の家を購入しても、新築1年目と5年目では、どれだけ掃除をしてきれいにしていても、必ず5年目の方が、新築1年目よりの古くなりますよね。
そういうことから、長期に使用される有形減価償却資産につきましては、その価値の減少分の費用とすることを減価償却と言います。
これで、減価償却をする意味となぜ費用にするのかが少しでも理解していただけたのではないでしょうか。
そして、その減価償却でも、償却方法がいくつか出てきます。
日商簿記3級では、「定額法」という償却方法を学んだと思います。
おさらいとして、その定額法について、簡単に説明します。
定額法とは、毎年同額を減価償却として、費用化することです。
例えば、取得原価が1,000万円の建物を耐用年数5年で、定額法として減価償却するとします。(償却率0.200)
解答としては、1,000万×0.200=200万円
このように、結果として、建物の減価償却費として、200万円を計上することになります。
そして、日商簿記2級では、3級で学んだ定額法の他に、「定率法」、「生産高比例法」を追加論点として学びます。
それぞれについて、簡単に説明します。
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定率法とは?
定率法とは、固定資産の取得原価から、減価償却累計額を控除した残高(未償却残高)に、一定の償却率を乗じて減価償却費を計上する方法です。
数式としては、
(取得原価-減価償却累計額)×償却率=減価償却費
例えば、取得原価が1,000万円の器具備品を、耐用年数5年で減価償却したとします。
(償却率0.400 未償却残高600万円)
解答としては、600万×0.400=240万円
このように、減価償却費として計上します。
続いて、生産高比例法について、説明します。
生産高比例法とは?
生産高比例法とは、1年に使用した分だけ減価償却費を計上する方法です。
数式としては、
(取得原価-残存価額)×当期使用量/総使用量=減価償却費
例えば、取得原価が1,000万円の車両を、1年間で3,000キロ走ったとします。
(見積走行可能総距離 30,000キロ、残存価額は取得原価の10%)
解答としては、(1,000万円-1,000万円×10%)×3,000キロ/30,000キロ=90万円
このように、減価償却費を計上します。
生産高比例法は、1年間に使用した分だけ減価償却費を計上することになるので、減価償却費が適正に把握できるというメリットがあります。
ただ、生産高比例法については、総使用可能量と当期の使用量がわからないと算定することができないので、どんな有形固定資産でも生産高比例法を使用できる訳ではありません。
例えば、航空機や自動車などが生産高比例法を使用できるものとして、挙げられます。
効果的な解き方とは?
減価償却の効果的な解き方は、
まずは、問題が与えられたら、
①償却方法の把握
②公式の当てはめ
③期中取得かどうか
これらを確認した上で、解答していくとスムーズに減価償却費が算出することができるのではないかと思います。
この中でも、特にポイントとなるのは、③の「期中取得かどうか」です。
③の「期中取得であるのかどうか」とは、公式の最後に、当期の事業供用月数を乗じます。
例えば、期中取得で、当期に6ヵ月だけ事業供用した場合は、
6/12を乗じて下さい。
このように、減価償却については、お伝えしたように、順に解いていただければ、得点アップにつながると思います。
減価償却は、日商簿記2級の本試験においては、得点源にしなければいけない論点なので、何度も何度も問題練習をすることで、得意論点とする必要があります。
少しでも参考になれば、幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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